退職関連 #1 サラリーマンの退職金に関して
会社に長年勤め、退職した場合、一般的に退職金(一時金)が出ます。
支払いを受けた場合、退職所得とみなされ、所得税、住民税などの税金がかかります。
退職金は、数百万円から数千万円になる場合もあり、多額な税金を支払うことになるのですが、長年の勤労に対する報償的給与として一時的であるため、税負担が軽くなるよう退職控除が定められております。
www.nta.go.jpでは、具体的な控除額はいくらになるのでしょうか。
※あくまでも一般的な金額での計算であるため、参考程度としてください。正確な金額の計算が必要であれば、税理士に相談ください。
勤続年数が20年以下の場合の計算式は、40万円 x 勤続年数となります。
20年を超える場合の計算式は、800万円 + 70万円 x (勤続年数 - 20年) となります。
例えば、勤続年数が19年の場合は、40万円 x 19 = 760万円となり、
勤続年数が25年の場合は、800万円 + 70万円 x (25 - 20) = 1,150万円となります。
あくまでも退職控除の額ですので、例えば、2,000万円の退職金が給付された場合、
2,000万円 - 1,150万円 = 850万円に対し、税金がかかるように思いますが、さらに退職金は優遇されており、課税所得の半分に対し、税金がかかる仕組みとなってます。
そのため、850万円ではなく、その半分の425万円に対し、税金がかかることになります。
計算式で表しますと、下記となります。
退職所得金額 = (退職金の金額 - 退職所得控除額) x 1/2
税金に関しては、所得税と住民税がかかります。
上記の425万円の場合、所得税の税率は20%、住民税の税率は10%となります。
所得税 = 425万円 x 0.2 = 85万円
住民税 = 425万円 x 0.1 = 42.5万円
結果、税金は、127.5万円となり、給付された退職金は、1872.5万円となります。
上記のように税金の計算ができましたが、税務署が勝手に退職者に代わり計算し、この税金です、と通知してくれるわけではありません。そのため、退職者から、退職金なので税金負担を減らしてください、という意思表示をする必要があります。その意思表示として、"退職所得の受給に関する申告書"を記載し、会社に提出する必要があります。
www.nta.go.jpもし、この申告書の提出を忘れ、税務署より納税を求められた場合、上記の退職金控除は受けられず、20.42%の税率が課されます。
仮に申告書の提出を忘れた場合の税金は、下記の金額となり、280.9万円も余計にかかることになります。結果、給付された退職金は、1591.6万円となります。
2000万円 x 0.2042 = 408.4万円
※2020年2月作成